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いい展覧会だった。とりわけ、「道の向こうへ」という30号のアクリル画にひきこまれた。 戸田勝久さんの絵には、人が描かれることはない。にもかかわらず、人の気配を強く感じる。今までそう感じていた。ところが、そうではないのではないか。つまり、この風景には、人がいてはいけないのだ。人が厳しく拒まれている風景なり、世界なのではないかと。もちろん、同じことには違いないのだが、これらの絵には、断念がある。言わば、何かによって絶たれた風景である。人の気配を感じると言ったが、その人は、これらの世界から拒まれている。そういうことに気づいた。それは、戸田さん自身の内面にかかわる画家としての拠って立つ思いに繋がっているのだろう。 こういうパンフレットでは見えないが、アクリルの質感はやはりその絵の前に立たないとわからない。草むらのなかに、黄色い小さな花がきらきらといちめんに咲いているのだが、やわらかな画想にみえて、実際は硬質な光の質感を含んでいる。現実のどこかの風景のように見えて、どこか現実からずれた、どこにもない場所に見えてくる。このパンフレットでは見えないが、道が途絶えるあたりに、本が宙に浮かんで飛んでいる。それをみているかのように画面ひだりにウサギがちょこんとすわっている。
by loggia52
| 2010-11-30 21:31
| 美術
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