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『群島-世界論』(2008年岩波書店)以来、ぼくが最も意識的に読んでいる人。海から島嶼から世界を捉え直そうという思考はとても刺激的。 その日は、『薄墨色の文法-物質言語の修辞学』(岩波書店)という最近刊行された書物についてのトークイヴェントである。 黒いインクで書かれたことば(制度としてのことば、あるいはシステマティックな言葉)に封じ込められている、世界と触れる時の、無垢で情動的な、言葉の発生の水際に、彼は耳を傾ける。制度としての言葉が捕らえきれない世界の理法を感じ取るための修辞法を《薄墨色の文法》と呼ぶ。比喩的に言えば、黒インクで書かれた既成の分析的な言葉を、水で溶かして(言葉に先行する世界との感覚的な閃きに溶かして)書いてみようというのである。ある意味では詩のことばに近づいている。従って、確かに読みにくい文章かもしれない。 今福さんは、その《薄墨色の修辞学》のキーワードの一つとして、まず《震え》についての思考を展開する。ラフカディオ・ハーンやエドゥワール・グリッサンを引用しながら、人間の住んでいる大地や場所の属性として、地殻の《震え》がある。地震や津波、火山の噴火などがその例としてあげられるだろう。それは住んでいる場所の属性として避けがたくある。一方、人間の内面の地殻にも震えがある。つまり、他者とのあいだにある違いを認知しようとし、理解しようとする過程で起こる感情の震えである。その時に感じ取られる他者からの促し、よびかけに応答するクリエイティブな心の震え。人間の内面の震えは、まるで大地の震えに同調するように、震えるのだ。そうした《震え》の詩学についてが前半の内容。 イヴェントの果てたあと、今福氏にサインを請う。
by loggia52
| 2011-12-08 23:45
| 書物
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