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経済指標や円相場、株価など、目に見えるもの、数値化できるものにしか、有権者は反応することができなくなってしまったのはどうしてだろう。政権も与党も、この目に見える数値や指標だけを拠り所にして、成果を強調し、現状を語り、政策を語る。それに対して、有権者は、これだけ税収が増えたとか、株価がこれだけ上がったとか、円安に振れたといった、目先の目に見えるものにしか拠り所を見出せない。
要するに眼の前のゼニ(経済)にしか反応できなくなった世間に危惧を覚えるのは、むろんぼくだけではないだろう。目に見えないものや、わけのわからないものについては、一切見向きもしないのはどういうわけだろう。 この〈感じ〉や(感覚)、例えば、首相の言葉や、与党の言説にまとわりついている、「うさんくささ」、なんとも言えない違和感-そう「なんともいえない」というところにもっと反応してもいいのではないか。この人間の五感の--言葉に翻訳できない気持ち悪さ、気味悪さを感じとる力を蔑ろにしてはいけない。 確かに「ゼニ」は眼に見えるが、憲法の問題は眼に見えない。しかし、思い返してみれば、そう褒めたものではないが、かつての選挙では、〈理念〉が争点になり得た。クリーンな政治とか、安保問題とか。また、選挙のたびに「有権者の絶妙のバランス感覚」という言葉で、政治が右や左に傾きすぎると、必ずゆりもどしを有権者たちは起こした。それは、さっき言ったような眼に見えない何か「嫌な感じ」「危険な兆候」「違和感」を感じた有権者たちが、それらの「感じ」を「一票」に投じた結果だった。今回の選挙のように目先の「ゼニ」(経済)にしか反応できない有権者に成り下がってしまったのはどうしてか。 その経済政策にしても、まったく常軌を逸した異常な金融政策によって、円安に誘導し、株価をあげるという、とても危ういものであることは素人のぼくにだってわかる。そもそも為替や株価は、英国のEU離脱の例を出すまでもなく、ちょっとした情勢の変化で大きく変動する。それを博打のような超低金利政策による一国だけの財政出動でコントロールできるはずもない。各国との協調といっても、それぞれに国益があるのだから、頼りにならない。つまりは、目に見えるもの、数値で示されるものには、なんの希望も期待もしてはならない。 今回の選挙で政権与党は、こうした危険な金融・経済政策が有権者の支持を得た(というより失敗のときの言い訳=責任転嫁ができる)と判断するだろう。もう後戻りできないと日銀は腹をくくるだろう。目先の眼に見えるもの、数値だけを見ている、想像力に欠けた貧しい政治がつづいていくことがおそろしい。 本質的なもの、大切なもの、生きるうえでうしなってはならないものというのは、目に見えないもの、聞こえないもの、数値化できないものの側にあることを、もう一度思いだそう。 こんなことを書くのは初めてのことで、こういうことは書くまいと自戒していたが、昨日から今日にかけての気持ち悪さを拭うことができなかったので、あえて書き付けてみた。こんなことは一回きりで。
by loggia52
| 2016-07-11 22:04
| その他
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