カテゴリ
全体 Loggia/ロッジア 『石目』について ぼくの本 詩集未収録作品集 詩 歌・句 書物 森・虫 水辺 field/播磨 野鳥 日録 音楽 美術 石の遺物 奈良 琵琶湖・近江 京都 その他の旅の記録 湯川書房 プラハ 切抜帖 その他 カナリス 言葉の森へ そばに置いておきたい本 未分類 以前の記事
2023年 11月 2023年 10月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 more... フォロー中のブログ
最新のコメント
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
その望月さんが、「風の旅人vol.38」に湯川さんへの思いを綴った文章を寄せている。 ここに全文を写したい誘惑を抑えることができないが、それもなるまい。 ガリラヤの漁師、ペテロとアンデレの兄弟を誘うイエスに、湯川さんをなぞらえ、染物屋を目指す若い彼を、本の世界に誘い、やがて工芸的世界を踏み外して、絵や彫刻の世界の深淵を彼にのぞかせてしまう。そういう経緯をたどりながら、湯川さんの死期の近いのを知らされて、病院に見舞う彼のただならぬ心のゆらぎに、ついこちらも息をとめて彼の心に寄り添うように読んでしまう。 これほどにうつくしく、切々たる追悼の言草をぼくは摘んだことがない。 #
by loggia52
| 2009-10-12 23:47
| 書物
|
Comments(0)
10月8日、9日は、神戸、大阪、京都を巡った。古くからのゆかりの友二人、静岡から、東京から、それに今年になって友誼を結んでちかしくなった神戸の人と、もうお一人、ぼくにとっては初めてお目にかかった美術家と、久しぶりに充ちたりたひとときを過ごした。ぼくのほかは、みんな美術家、と言っても、四人とも当然のことながら、世界観も絵についてのアプローチの仕方も、これまでの生き様もまるで違う。出自も素性もまるで異なる五人を、こうやって引き寄せたのは、他ならぬ湯川書房のあるじ、今は亡き湯川成一さんである。
湯川さんが亡くなって一年と幾月かが過ぎた。湯川さんは、本の作り手というよりは、人を引き寄せる不思議な引力をあやつる人だったようにぼくには思える。 若い美術家を次々と本の世界に誘い、湯川本と言われる独特の本の宇宙に結実させた、と同時に、これらの美術家は、湯川の本にかかわりながら、そのことを自らの創造の見えない養分としてたくわえ、やがて、それぞれが、無二の精神性を秘めた作品世界をつくりあげていった。それは、言い換えれば、湯川さんの手から離れることを意味していた。しかし、彼らは湯川さんの精神のダンディズムからは一度たりとも離れたことはなかった。こうやって湯川ゆかりの人たちが集まって話をし、盃を交わしているのが何よりの証しにはちがいない。 #
by loggia52
| 2009-10-11 22:09
| 日録
|
Comments(0)
「万葉集」から。 わが岡の秋萩の花 風をいたみ 散るべくなりぬ 見む人もがな 大伴旅人 「万葉集」には萩の歌が多い。いかにそのころ愛でられた花かがわかる。萩の花の散るのをともに眺める人がいたらなあ、という歌。 わが宿の秋の萩咲く夕影に 今も見てしか 妹(いも)が姿を 大伴田村大嬢 これは、姉から異母妹に贈った歌。「萩の花の咲きにおう夕べの光のもとで、今すぐにも見たいものだ、あなたの姿を。」いい歌である。 もう一つ今の庭に目立つのが、このコムラサキ。次女はよく、おいしそうなコムラサキの実をごちそうにしてママゴト遊びをしていたのを思い出す。いや、待てよ?そのころはまだこの木は植わっていなかったか。 #
by loggia52
| 2009-10-10 22:48
| 歌・句
|
Comments(0)
いつもお送りしている方で、まだ「ロッジア」6号が届いていない方がいらっしゃいましたら、メールでご連絡ください。早速お送りします。(メールは、「 tokiji●gmail.com 」●を@にかえてください)ごめいわくをかけてしまいましたが、よろしくお願いします。 また、6号の作品についてのご感想のメールや葉書を次々といただきました。さらに、いくつかのブログで感想を書いて下さいました。なによりのエネルギーになります。どうもありがとうございます。 台風18号が接近中で、風雨が激しくなってきました。そんななか、明日とあさっては神戸・大阪にでかけています。なんとか台風が無事に通り過ぎてくれればいいのですが。 #
by loggia52
| 2009-10-07 22:29
| Loggia/ロッジア
|
Comments(0)
さて、そんなつのださんのプロデュースになる、アンサンブル・エクレジアの新しいCD「巡礼の歌」(女子パウロ会)のことを少し書こうと思う。 キリスト教の巡礼地に伝わる祈りの歌や、旅の様子、聖地に着いた喜びや、巡礼への思いなどを歌った歌の数々。13世紀の「聖母マリアの頌歌集」や14世紀の有名な「モンセラートの朱い本」からの4曲は、エクレジアのこれまでの響きを思い出させてくれる。松田美緒の歌が新鮮。 このCDで特に際だつのは、キリスト教の三大巡礼地の一つスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への巡礼の歌の数々が実におもしろく、すばらしい。13世紀から18世紀までのサンチャゴ巡礼にまつわる多彩な歌。例えば、「ドン・ガイフェロスのロマンセ」という13世紀の歌を、フラメンコの歌い手永潟三貴生が歌っているのだが、その素朴でストレートな歌いぶりと、18世紀の「天で幸福に生きるために」という、波多野睦美睦美が歌う、うっとりとするような美しくあまやかなメロディー。同じサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の歌といっても、国ぶり、時代ぶりというものがくっきりとある。その陰翳ある音楽のさまざまを、このアルバムは実に印象深く映しだしてくれる。 まずは、この「天で幸福に生きるために」という波多野睦美の一曲を聴いてほしい。一度聴いたらすぐに口ずさめるようなメロディを、彼女の思い入れのこもった透明な声がなぞっていく。これ一曲で、このCDを購った値打ちは十分にある。それはぼくが保証する。 それから、松田美緒の哀愁を帯びた声、通常の劇場の歌い手の洗練された音の出し方とは違う歌、そのナイーブで哀愁を帯びた歌が実にいい。このファドの歌い手に、ぼくはすっかりまいってしまった。さっそく彼女のアルバムの一枚を購ったわけであるが、そのことについてはまた別の機会に。 少し早いが、クリスマスに、静かにひとり聴く音楽としては、これにまさるものはないと思う。こういう音楽を聴くと、とにかくだれかに聴かせたくてたまらない。望月通陽の鋳造ガラスの作品で飾られたジャケットの美しさも忘れてはいけない。 #
by loggia52
| 2009-10-06 00:32
| 音楽
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||