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![]() もう一つは、 小峰和明「中世法会文芸論」という本で、寺院での法会の場の音楽や声や言葉がどういうものであったのかという研究書である。宗教にはちがいないのだが、その宗教性と美意識ないし芸術との融合とでも言うべき時空間に興味を抱いたから。 声明は仏教の儀式音楽で、慈覚大師が日本に伝え、比叡山の麓の大原の地で集大成されたという。今回ぼくが聞いたのは、中国の声明の聖地・魚山の名に因んで名付けられた《大原 魚山塾》と呼ばれる声明のグループ。天台宗の僧侶をはじめ、本願寺や浄土宗の僧侶も含めた20名近くで構成されている。 演奏されたのは《四箇(しか)法要》と呼ばれるもので、『続日本紀』に、天平勝宝4年(752年)に営まれた東大寺の大仏開眼供養の時にも行われた法要だとのこと。このときは、インド僧が大導師をつとめ、「音楽に秀でたベトナム僧の指導によって雅楽曲を用いて行われた」とある。参加した僧が1026名というから、聖武帝、光明皇后も出席しての絢爛たる大法要だったわけだ。 「世界大百科事典 第2版」によると、《四箇法要》とは「《唄(ばい)》《散花(さんげ)》《梵音(ぼんのん)》《錫杖(しやくじよう)》の四箇の声明曲(しようみようきよく)を具備した法要をさす」とある。最初の唄(ばい)を「始段唄」といい、これは「ン如来妙色 身世」という「七文字の一字一字に長大な旋律が付けられてい」て、この「七文字を唱えるのに一時間近くを要する」その唄を導師が唱え始めると、その旋律を隠すように「散華師」による散華が始まる。このあたりは壮麗なユニゾンで美しい音楽だ。散華師は、大勢の式衆を従え、節目節目で散華をほどこす。この日は演出で、散華師たちが会場に声明を唱えながらおりてきて観客に散華を散らしたのだが、その数枚がちょうどぼくと家人の膝の上に落ちてきた。 ![]() この声明のあいまに大友良英のギターとユザーンというタブラ奏者が即興で加わり、声明をもり立てる。大友さんのギターは以前に聞いたことがある。エレクトリック・ギターを駆使したインプロビゼーションで知られる人、ノイズ系の音楽もよくやっているのでさてどうなることやらと内心はらはらしていたが、さすがにさまざまなアーティストとコラボレーションをやってきているだけあって、みごとに声明の音楽を壊すことなく、しかし適度な緊張や挑発を企てもして心地よく聞いた。 ![]() もちろん、今回の演奏はそうしたことを目的としたものではない。ただ、どんな様式と音楽なのか、その実際を聞いてみたかったという点においては、大いに参考になった。
by loggia52
| 2013-11-13 00:03
| 音楽
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