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さて、CDの講演のほうだが、これが実におもしろい。始めに収録してある74歳のときの講演は、最初、バッハの平均律を弾くところから始まる。彼がピアノと出会い、どんなふうにピアノという楽器に魅かれていったかを、時折ピアノで例を示しながら話していく。この話がじつに自然に聴く者の心にとどくのだ。(ぼくは話下手なので、うまく聴き手の心を捉えて話をするのをよろこびとしている人にずいぶん憧れる。音楽の世界では吉田秀和の話が好きだった。「名曲のたのしみ」を聴くのは文字通り楽しみだった。)一本目の講演の聞き所は、バッハのシャコンヌを彼がピアノ用に編曲して弾いているところ。 2本目は、ぼくにはもっとおもしろかった。モーツアルトの音楽を、歌曲の「すみれ」を例にとって、解説していくところから始まって、モーツアルトの手紙を紹介しながら、「フィガロの結婚」という歌劇の意味について語り、さらに圧巻は、ウィーンの宮廷でクレメンティとモーツァルトがピアノの腕比べをしたときの話から始まって、その時にクレメンティが自作のピアノソナタを披露したその主題を後年、モーツアルトが「魔笛」の序曲に利用したというエピソードを語りながら、クレメンティのピアノソナタと、「魔笛」の序曲がどう違うかを、実際にピアノで弾きながら解読していくところ。まるで、ぼくもその講演会の会場にいるかのように、なるほどと聴き入ってしまった。ユーモワを交え、決してむずかしくならない話で、音楽の深いところまでおりていく。 林光のことをもっと知りたいと思った。
by loggia52
| 2013-11-20 17:00
| 音楽
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