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![]() 大雷雨鬱王に会うあさの夢 という句が『歳華集』にある。 また、 わが鬱と塵とどめざる名残空 神と医師いずれをえらぶ冬の窓 短日はさびし来る夜のおそろしき 心中にひらく雪景また鬼景 これらは『歳華集』以後の作品を収めた『玄玄』(赤尾兜子全句集所収)の句。 そんなことを思いながら、『歳華集』や、それ以後の句をながめると、実に心に留めたい秀句が次々と浮上してくる。 帰り花鶴折るうちに折り殺す ぬれ髪のまま寝てゆめの通草かな 空鬱々さくらは白く走るかな 葛掘れば荒宅(こうたく)まぼろしの中にあり 俳句思へば泪(なみだ)わき出づ朝の李花 初がすみうしろは灘の縹(はなだ)色 赤のまんまけさがけに負ふ石ぼとけ さらばこそ雪中の鳰(にお)として 淡雪富士ひとつの素船出て行くも 「帰り花」や「「空鬱々」「赤のまんま」のような、凄味のあるポエジーの切れ味の妙味をみせて、前衛俳句の残照を彷彿とさせる句とともに、「ぬれ髪の」、「俳句思へば」や「初がすみ」「淡雪富士」のような、ことばのふところに傷心の心身を投げ出して心の鎮まりを願うかのごとき浄化的世界を開いたような句が胸をうつ。 『虚像』の前衛句から晩年の伝統俳句的な句までの兜子の俳句的世界の振幅のパースペクティブは、そのまま現代俳句のそれの縮図のように見えてくる。兜子の果敢な前衛の試みに対する揺らぎのようにうかびあがる十代の頃と晩年の佳句の数々は、痛ましい魂の傷跡のようにも、傷が癒えようとする恢復期の静かな力のみなぎりをひそめているようにも見える。
by loggia52
| 2014-03-18 00:45
| 歌・句
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