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![]() 故・丸谷才一氏は、知られるように、高橋悠治さんの通っていた桐朋の英語の先生で、ジョイスの『フィンェガンズ・ウェイク』の研究会をやっていた丸谷氏の家に、悠治さんは遊びに行ったり泊まったりしていた仲である。高校生のときに、「フィネガンズ・ウェイク」とは、さすが悠治さんらしいが、あの会場にその丸谷才一氏がいらっしゃっていたとは。 その《風ぐるま》の2016年秋の公演『夢のもつれ―猫は聴いた二つの物語』が、いよいよ迫ってきた。11月17日(木)東京・代々木のムジカーザ、17日(金)は大阪・ザ・フェニックスホール。 今回は、後半のプログラムで、2010年の「納戸の夢 あるいは夢のもつれ」が再演されるのだが、その初演のおりに、ぼくのブログで紹介したこの《反オペラ》の内容を、少し再掲しよう。「夢のもつれ」とあるように、少しプロットが込み入っているので、聴くまえの参考にでもしてください。 「ひとの夢から夢を彷徨い、ひとの夢をすみかに生きている精霊(女)、 その精霊がこんど住みついたのは、ある若い男(「游」という名前)の夢の中 彼女は男の夢の中で、彼の母(「朝子」という名)の思い出の詰まった薬箪笥の置いてある納戸にすむ猫になっている やがて男と猫がことばを交わすようになり、猫は男を「ゆう」と呼び、男は猫を「あさ」と呼びあい、お互いに魅かれていくようになる。 さらに、猫の精霊は、男に本当に愛されるために人の身体になりたいと願うが、 一方で、彼が愛しているのは自分ではなく、彼の母を自分に投影しているだけではないかと疑う。 その疑いが晴れぬまま、精霊は人の身体も持つようになり、二人は愛し合うようになる。 男が愛しているのは自分ではなく、母親ではないかという疑念を持ちながらも、男を愛せずにはおれない彼女。 自分が愛しているのは、「あさ」という女なのか、母(朝子)なのかを曖昧にしたまま、彼女との愛に溺れていく男と。 やがて、そうした夢の中での二人の愛に、軋みが生ずるようになっていく・・・。 一方、男と精霊の以上の話に割り込むように、納戸を病床として死を迎えようとしている游の母の日記(「朝子の日記」)が、織り込まれる。死を見つめながら、愛する息子の「游」に、「しばらくすると自分はいなくなる、いなくなったら、おかあさんの幼いころに遊んだ薬箪笥の抽斗のどれかに隠れているから、探して欲しい」と告げる、というような内容が、日記の中に書き込まれている。 最後の場面は、ある日、愛し合ったあと、彼女は鏡台の前に男を連れて行って、自分の顔を見ようとする。今まで、人になってから自分の顔を確かめたことがなかった、游は自分の顔をどんな顔に作ってくれたのかを二人して見ようと思ったのである。鏡台の覆いを取り払うと、なんと鏡には・・・・・。 というもの。 こうやって筋を説明するだけでもややこしい夢のもつれた物語の断片をどう音楽にしていくか、どう歌うかというとてもやっかいな課題をお二人に解いてもらうことになったのは、作者としては本当に心苦しかった。でも、初演を聴いて、もやもやが晴れた。 ことばを「読む」、「唱う」、さらに「歌う」という声の織りものを、ピアノとブズーキの音のしずくでふくらませていく。ことばを立たせる波多野さんの、「読み」から「うた」へと、また「うた」から「よみ」へと往還していく流れが、全体に息づいていて、心地よく聴くことができた。何よりも、作品で語られていることが、わからないといけない、しかも、それが音楽のかたまりや音楽の流れそのものでなくてはならないというむずかしい課題を十分にクリアしていたように思った。 高橋悠治さんは、、ピアノを歌わせることよりも、この作品を声の織物として、音のしずくで仕立てることに徹しておられた。声=ことばをはっきりと前に出して、ピアノやブズーキの音で縫い取り、際だたせ、時には声と一緒に戯れて。」 さて、今回の再演は、ブズーキに変わって、栃尾克樹さんのサックスが加わる。おそらく初演とはまた違った味わいの「夢のもつれ」になるだろう。それが今から楽しみだ。 ●東京公演 11月17日(木)代々木上原 ムジカーザ チケット=tel.03-3866-2223(プリマ楽器) ●大阪公演 11月18日(金)西天満・ザ・フェニックスホール チケット=ザ・フェニックスホールチケットセンター 06-6363-7999 ぼぬのーと 050-3465-3919 ![]()
by loggia52
| 2016-11-10 01:48
| 音楽
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