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柄澤齊の撮影は1983年とある。その年は、ぼくが初めて柄澤さんに出会った年。また、柄澤齊、前回に書いた高柳誠、銅版画の北川健次とぼくの四人で詩と版画の雑誌《容器》を作ることになり、頻繁に四人の家を点々として皆で会っていた。このころ柄澤さんは茅ヶ崎に住んでいたのだが、そこへもみなで押しかけている。 このころは、たしか柄澤の〈肖像シリーズ〉の初めての個展の年ではなかったかと思うのだが、モンテヴェルディにはじまるこのシリーズは、ランボー、ボードレールなど次々と発表される作品が出るたびに、そこに潜められた意匠と批評と技術と才気に圧倒されたものだ。 肖像展の写真は、1983年12月号の『芸術新潮』の連載であった「Artist in Studio」に掲載されたときのものだが、肖像展の方はモノクロ、芸術新潮のほうはカラーで、しかもカットがほどこされて顔が大写しになっている。このとき彼が見つめる先には小さな木口木版の〈ハレー彗星〉の版らしきものが置いてある-というのを今度の肖像写真展で確認した。 「芸術新潮」には他にも写真が何点かあって、その中には、肖像シリーズのうちの「カフカ」が彫られているところを撮した一枚がある。 もう一枚、彼がうずたかく積まれた書物に取り囲まれた写真が載っている。これほど文学の毒にとっぷり浸かった美術家はめずらしいが、あるいはそれが柄澤をして昭和の匂いをいだかせる由縁なのかもしれない。
by loggia52
| 2017-03-08 23:29
| 美術
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