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そのノートの使い方におおいに頷いた。少し長いが引用する。 「ちょっとした閃きを書き留めたり、気になる新聞記事を貼りつけたり、舞台となる家の間取り図を描いたりしているうちに、少しずつ物語の姿が見えてくる。あっちを消し、こっちから矢印を引っ張り、そこは重要だから蛍光ペンで囲み、あそこは伏線となるシーンを付け足し、と、そうこうしているうちにページはどんどん見苦しくなってくるが、心配はいらない。混沌としてくればくるほど物語は密度を増し、その混沌の底から、ある瞬間、書き手の思惑を越えた光が射す。すると、小説の第一行めが書き出せる時も近い。」 最後の三行、とりわけ「書き手の思惑を越えた光が射す」というところ。 さらに、次のように続く。 「作品が完成し、本になり、しばらく後にノートを開いてみると、何が何やらよくわからない場合が多い。物語がどこからやってきて、どんなふうに形作られたのか、最も近い場所にいたはずの作者本人にさえ、実感がつかめない。いくつ作品を書き連ねようと、私にとって物語の存在は、いつも神秘的だ。」 物語がどんなふうに作られたのか、作者自身にもわからない―― これを呼んだとき、『名井島』の作り方とまったくいっしょだなと思った。『名井島』の場合も、新しいノートを一冊用意して、とにかく自分の心の磁場によってくるものを脈絡もなしに書いていくところから作品は始まった。『名井島』の場合、5ページくらいまで、「ノオト」のタイトルもなかった。ようやく「名井島」という言葉が浮かんで、『名井島ノオト』とシールを貼った。瀬戸内海の島のこと、犬島のこと、豊島のこと、資料を読んだのをメモしたり、ひらめいた発想はこまめにメモをとる。忘れないうちに書き込んでおくので、字はどうでもいい。自分が読めたらそれでいい。ちなみにノオトの書き始めは2014年9月23日とある。『名井島』上梓の4年前。もちろん、ノオトは一冊では終わらない。だんだんと、『名井島』以外の他のメモも書き込まれたりしてますます混沌としたノオトが三冊。 このエッセイを読んでいるうちに、新しいノートがほしくなった。そろそろ「〇〇ノオト」を作らなければ。なんだかむずむずしてきた。
by loggia52
| 2019-11-06 15:49
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