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先日、戸島美喜夫さんの訃報を高橋悠治さんから知らされた。 悠治さんが関西でコンサートをなさるときには、かならず、小杉武久さんと、戸島さんがお見えになっていた。その縁もあって、コンサートの打ち上げにごいっしょさせていただく機会もあって、親しくお話をさせてもらっていた。神戸のコンサートの前などには、別に待ちあわせはしていないのだが、いつものカフェで待っていらっしゃった。優しく、心遣いもこまやかで、お目にかかるたびにそのお人柄にひかれた。もっと、悠治さんとのことや若き日の音楽活動についてお話をうかがっておけばよかったと悔やまれてならない。 小杉武久さんとは、芦屋市立美術博物館での個展の折に、悠治さんと小杉さんの対談なども拝聴し、小杉さんの作品も間近に悠治さんといっしょに楽しんだ思い出があるのだが、戸島さんはシャイで控えめな感じがして、こちらも遠慮してしまっていた。高橋悠治、小杉武久、戸島美喜夫――この三人の若き日の音楽活動や交流には強くひかれるものがある。 この戸島さんの作品を高橋悠治さんが弾いたアルバム『冬のロンド』はぼくの愛聴盤のひとつ。まず、カザルスの演奏で知られたカタルニアの「鳥の歌」から始まるのだが、ほかに沖縄の機織歌や、奥三河の花祭で知られた北設楽地方の民謡に材をとった「柿むき」、ヴェトナムの子守歌など、主にアジアの民俗的な歌など、シンプルなメロディにもかかわらず、それらを実に精妙で新鮮、かつ清新なピアノ音楽に甦らせていてとてもいいのだ。民衆という言葉はあまり好きではないが、それぞれの土地の名も無い人たちの息づかいを大切にした戸島さんの音楽観がうかがわれる。それらを今という時代に息づく音楽として編まれたもの。おしまいの「冬のロンド」は彼の代表作。解説には「大逆事件で処刑された人物を描いた水上勉の戯曲「冬の棺」を土台とした初期の代表作「冬のロンド」」――とある。 戸島さんは合唱曲も多く作られている。それを一度聴いてみたい。
by loggia52
| 2020-02-25 21:39
| 音楽
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