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「ロッジア」は、ベンヤミンの「ベルリンの幼年時代」の中の一編。「歩廊」という訳語が晶文社版著作集にはついている。岩波文庫版「ベンヤミンの仕事」の抄訳には「建物の中庭に面する側に作りつけられたアーケード風の回廊で、庭側には壁がなく、列柱が並んでいて、バルコニーのように使われる」と訳注がある。中庭に面して、建物の外側でもなく、内側でもないという境界に位置する空間と言えようか。風がかよい、夏には日除けの陰になって彼の幼年の揺籃となった。ロッジアはまた、中庭の世界へのパースペクティブと同時に内側の室内への眼差しをあやつることができる。
「内側でもなく、また外側でもない」というロッジアのような境界的なスタンスを、ぼくは詩に対してとってきた。それは散文に「擬態」することによって詩というものを捉え直す試みと言い換えてもいい。詩は絶えず散文に対して開いていること、詩の境界を散文に曝していること。更に踏み込んで言えば、非詩なるものが詩をきたえるということ。例えば、「ベルリンの幼年時代」などのベンヤミンの散文は、どんなすぐれた詩を読むよりも、その断片の切り口からしたたり落ちるポエジーの闇の濃さとまばゆさに絶望し、また励まされる。 「Loggia 1」から引用。
by loggia52
| 2008-01-20 21:50
| Loggia/ロッジア
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