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このチョウのことを、杉本秀太郎氏が「火用心」で書いている。「とにかく、この雌だけは他に類がない美しい前翅をそなえている。ツマのクロが黒ではなくて紺系の濃色なのも小面憎い。」(「秋の蝶」) 「小面憎い」は、杉本さんの文章に時折顔を出す、杉本語彙の一つ。この猛暑の中で、杉本さんの「平家物語」を読んだが、ここにも「小面憎い」が、ひょっこり出てきたりする。実は杉本「平家」の面白さは、こういう筆者の見解やら感想を述べた部分にある。勿論、内外の古典の引用、写本の系統による異同についての心強い指摘や、平家を読む面白さの勘所を随所にちりばめて、猛暑も忘れるくらいに興味を引かれるのだが、同時に、ふと杉本さんの感想が、「小面憎い」のようないささかユーモアもまざった言葉で添えられるのに出会うと、思わずこちらもにやっとしてしまう。いつのまにか、筆者と一緒に平家を読んでいるような気分にさせられる。思わず「杉本さん」などというちかしい呼び方をしてしまったのは、そのせいかもしれない。
by loggia52
| 2008-08-04 10:50
| 書物
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